2022年04月19日 12:46

亀岡電子は、大雨による土砂災害の発生リスクをモニタリングし、設定値を超えるとLINEやメールでアラート通知を発報する「斜面湧水量モニタリングサービス」の開発をスタートした。
近年、記録的な大雨に伴う土砂災害が全国各地で発生しているものの、土砂災害リスクの予測手法は未だ確立されていない。既に土砂災害を予測するシステムとして、「傾きセンサ」「ワイヤーセンサ」「土壌水分量センサ」などのセンシング情報と気象データを組み合わせて予測する方法など、様々なサービスが提供されているが、いずれも設置費用を含めた機器代が高額であることや、システム自体が高額であるため容易に設置できないのが現状だ。
鹿児島大学農学部地頭薗隆教授の研究によると、土砂災害発生と斜面湧水量(地下水位)は相関関係があると示されている。この斜面湧水量を多地点で常時モニタリングできるよう安価な「斜面湧水量モニタリングサービス」を開発することができれば、土砂災害リスクの予測手法の確立に寄与できると考えており、現在、香川大学、三重大学と産学連携によりサービス開発を進めている。総サービスは、機器設置のための大掛かりな土木工事が不要、市販の乾電池で1年以上稼働という特徴に加え、機器自体の価格も数十万円に抑える計画であり、他のサービスと比較し、圧倒的に低価格を実現する見込みだ。既に、京都府福知山市に試作初号機を設置しており、2022年度は新たに数十カ所の実証実験機設置に向け、実証実験フィールド提供自治体を募集している。