2022年03月30日 12:57

テーエムは、「燕三条」にて60年以上かけて培ってきた、自然現象に由来した人体に影響のない鉄の黒染め技術を応用させ、希少な「ステンレスの黒染め」技術を開発した。2018年には、自社ブランド「96(KURO)」を立ち上げ、2020年に仕様変更の為、製造・販売を停止。約2年間の改良を経て、食洗機使用可能な、新しい仕様2種類の「黒染めカトラリー」を、4月1日に発売する。
金属の黒染めとは、黒染め液を煮立てた中に金属を入れ、化学反応を起こして黒く染める技術。その際に、金属の表面に酸化皮膜と呼ばれる膜ができる事で、黒く染まる。塗装が製品に上塗りするのに対し、黒染めは内部への浸透部分も含めて1ミクロン(1mm/1000)の薄さで変色させる。膜の厚さが非常に薄く、部分的にムラが出るなどの一方、金属の風合いを生かした仕上がりが可能。塗装のように均一な美しさはないが、黒染めにしか出せない味のある美しさ、使う人によって変化する面白味がある。
今回発売するカトラリーの種類のひとつは、黒染め後に一点一点手で磨いて仕上げた「つやつや」。ステンレス特有の光沢があり高級感が出る。二つ目は、表面を梨の表面のような質感にし、そこへ黒染めを施した「ざらざら」。マットで素朴な雰囲気が特徴。
発売するのは2仕様×5種類のカトラリー。陶器、磁器、木製、ガラス、どんな器とも相性が良く、どんなシーンにもマッチ。料理との相性も良いので、より美味しさを引き立てる。また、仕様変更により、食器洗浄機も使用可能になった。