2022年03月18日 16:08

2021年5月から、日本DMCと静岡県立農林環境専門職大学は、レーザー計測機器(可搬ライダー)を活用した森林調査法の開発と先端技術教育について共同研究を行なってきた。この度、可搬ライダーを森林調査に活用するためのノウハウを明らかにし、調査の精度や効率を格段に向上することに成功した。
森林を適切に管理していくための最も基礎的な作業として現況把握が挙げられるが、森林面積は広大なため、人力に頼った手法では限界がある。今後は、情報技術を活用して、効率的かつ精度の高い調査手法に代替していくことが期待される。そのため、この技術を次世代に普及する必要があり、人材育成も欠かせない。
一方で、可搬ライダーは、その汎用性の高さから様々な分野で活用がはじまったが、農林業分野での活用はそれほど多くない。本取り組みでは、最先端のレーザー計測機器を活用して、効率的かつ高精度に森林調査を行う方法を検討した。
今回、20メートル四方(400平米)の森林調査地を計測するために、適した計測の手順を明らかにした。従来の方法では、点群データの歪みやノイズの発生があったが、適した手順で行えば、これらの不具合が起こりにくくなることが明らかに。これにより、誰でも手順に従って調査が行えるようになった他、データの品質が向上したことにより、木の直径の計測精度が約2cm向上した。この方法により、400平米の森林調査(樹木位置、樹種、胸高直径の調査)の現地作業を30分で完了することが可能となる。