2021年11月12日 09:31

日機装は、血液透析治療に欠かせない消耗品である血液回路のサプライチェーンの強化を図るため、宮崎日機装の敷地内に透析用血液回路の新工場を建設する。
同社は、透析用血液回路をベトナム、タイの2拠点で生産しており、世界中の患者へ供給している。血液回路は、一般的に週3回の頻度で実施される治療の都度、交換が必要となる重要な消耗品であり、治療継続のためには欠くことのできない生命線ともいえるものだ。国内においては、年間約5200万本が必要とされており、うち約半数を同社が供給してきた。
在ベトナム・ホーチミンの同社血液回路工場は、当局の感染拡大防止に向けた規制強化によって、6月末から稼働の制限を余儀なくされる事態となったことから、同社は顧客への製品供給の継続を第一に、協力会社の支援による代替品の提供や同社タイ工場の増産対応など、あらゆる対応を継続してきた。現在、当該ベトナム工場の稼働率も徐々に回復しているが、同社が血液回路の供給者としての責務を全うしていくためには、生産・供給体制の整備、再構築が必要であることから、宮崎に新工場を建設することを決定した。
宮崎新工場では、国内で年間に必要な血液回路の約30%となる1600万本を生産し(最大生産時)、製造プロセスの自動化と効率化を行うことで、国内市場へ高品質な製品を安定供給できる体制を構築。また、現行の複雑化した商品構成も見直し、型式の集約を行うことで、急激な需給変動への対応力も強めていく。
所在地は、宮崎県宮崎市高岡町高浜 宮崎ハイテク工業団地。