2021年11月05日 15:00

東京海上日動火災保険と「応用地質」は、防災IoTセンサが取得するデータ(浸水の高さ)と3D都市モデルを活用し、先進的な防災サービスの開発を開始する。3D都市モデルを用いることで、2次元の地図では伝えきれない臨場感を実現し、浸水対策や避難計画の実行につながる新たなソリューションの創出を目指す。
サービス開発にあたり、両社は2021年7月から、過去の浸水履歴やハザードマップの情報を元に福岡県久留米市内の水災リスクを分析。リスクの高いエリアにある保険代理店に、冠水センサ「冠すいっち」(応用地質の防災IoTセンサ)を設置。企業や自治体、住民の災害対応における冠水センサの有効性の検証を実施してきた。
2021年8月に発生した豪雨では、同市で8月14日4時46分までの1時間に72.0ミリという8月の観測史上最大の雨が観測された。冠水センサの設置場所では、同日3時29分に4cm以上の冠水を検知、4時41分には45cm以上に上昇、7時27分に冠水が解消(4cm未満)した事を検知した。検証の結果、冠水センサから得られたデータが実際の浸水状況や浸水深と整合していること、事前に登録した関係者にアラート情報がリアルタイムで配信されたことを確認。また、東京海上日動で既に活用している人工衛星データによる浸水エリアの特定や、浸水深解析の精度向上にもつながることが確認できた。
今後、防災IoTセンサや人工衛星などから得られるデータを災害発生時の初動対応に活用していく。それとともに、企業や自治体、地域住民の防災・減災活動を支援する新たなサービスの開発を進めていく。