2021年10月28日 19:00

ベネクスは、休養時専用の「リカバリーウェア」の機能や使用感の向上を目指し、副交感神経への効果や皮膚からの感覚受容体鎮静作用に着目した研究を行っている。その延長として、倦怠感や筋肉痛対策の実現に向けてさまざまな研究に取り組んできた。

今回、ヒト白血球を用いたDPV576(ナノダイヤモンドおよびナノプラチナ)のTRPV1受容体への作用を検証。結果、TRPV1の活動抑制効果、さらにこれに伴いINF-γの発現抑制効果を発見した。

TRPチャネルは、温度、およびその他の外部刺激に対するセンサーとして機能している。本年度、このTRPチャネルを発見した研究者が、ノーベル医学生理学賞を受賞した。同社は、DPV576が、ヒトの皮膚細胞(ケラチノサイト)に存在するTRPVの活性を調節することを、これまでの研究で明らかにした。さらに、痛みの調節因子としての可能性を示唆している。

本研究では、DPV576のヒト白血球内T細胞に対する機能調節効果、および痛みの調整効果に対して、TRPVチャネルを用いた実験を実施。その結果、DPV576は、抗CD3 / CD28にて活性化されたT細胞のTRPV1の発現を抑制すること。さらに、T細胞から分泌されるIFN-γの分泌も併せて抑制することも明らかにした。このことから、DPV576は、倦怠感や筋肉痛軽減に対して有益に作用する可能性が分かった。