2021年06月25日 12:29

菱熱工業は、食品工場での熱中症対策へ向け開発した「白い空調服」をリニューアルし、6月より販売を開始した。
「白い空調服」は、白衣の腰部に付けた2個の小型ファンから外気を取り込み、服と体の間へ平行に流す。外気が汗を瞬時に蒸発させ、その際に発生する気化熱で体温を下げる仕組みで、生理的な冷却システムを利用している。服の中を通って温かく湿った空気は、襟元や袖下の穴から白衣の外へ排出。同社の実験では、ファンを作動させる前後で身体の表面温度は2~3℃程度下がっている。食品工場向けの空調服(ファン付きウェア)としては国内で初めて、約10年前に開発し、以来、構造や材質の改良を重ねてきた。白衣メーカーとタイアップし縫製などの品質にもこだわって製造しており、これまでに計約1万着を販売。室温が40℃を超える場所もある食品工場での熱中症対策に役立ち、労災の防止にもつながると好評を得ている。
今回のリニューアルにより、定番商品であるフードのない「白い空調服」は、両腕の袖下に設けた排気穴を2.25倍の126平方センチメートルに拡大(従来は56平方センチメートル)。風の通りが格段に良くなり、より涼しさを体感できる。フード付きの「白い空調服」は生地を替えた。ポリエステルを65%から85%に増やし、その分、綿を35%から15%に減らすことで、作業着本体の重さは360gになり(従来は416g)、13.5%の軽量化を果たした。
価格はオープン価格。