2021年02月04日 17:41

パナソニックは、植物由来のセルロースファイバーを70%の高濃度で樹脂に混ぜ込む複合加工技術と、それを製品化する成形加工技術を開発した。2019年にプレスリリースしたセルロースファイバー55%濃度の成形材料から高濃度化の開発を進め、本開発の70%濃度でも、素材のもつ自然感を活かす意匠を表現することにも成功した。
昨今の海洋プラスチック問題や石油資源の枯渇・地球温暖化といった環境問題から、天然資源の効率的な利用(SDGsゴール12)や、海洋汚染の防止および大幅な削減(SDGsゴール14)が国連の開発目標として定められ、樹脂量の削減が世界的に求められている。パナソニックとしても、2017年に「環境ビジョン2050」を策定し、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向けた開発活動を進めている。
パナソニックは、2015年から石油由来の樹脂量を減らす研究開発活動を開始。2019年に天然由来成分であるセルロースファイバーを55%濃度で樹脂に混ぜ込む複合加工技術を開発した。その後、セルロースファイバーのさらなる高濃度化の開発を進め、70%濃度で樹脂に混ぜ込む複合加工技術を開発。
樹脂、セルロース材料の最適化、混練方法の改良により、高剛性タイプ、高流動タイプの2種の複合樹脂成形材料の開発に成功。着色自由性が高く、着色剤なしでも、素材そのものを褐色化させることで色むらを制御することが可能で、木質感などの高いデザイン性も実現できる。