
リンクアンドコミュニケーションは、京都大学 大学院医学研究科社会疫学分野と共同で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令による生活様式の変化について研究している。このたび、緊急事態宣言期間中の食生活の変化について学術論文を発表した。
まず、緊急事態宣言前 (2020年1月1日~4月6日)と緊急事態宣言期間中(2020年4月7日~5月13日)の平日に自炊した品目を食べる回数を比較したところ、全体の自炊回数は1.05倍、もともと毎食自炊した品目を1品食べていた人では1か月あたり4.5回増加することが分かった。また、在宅ワークをする人は、そうでない人と比べて1.02倍、1ヶ月あたりに換算すると1.9回増加の傾向が見られた。
一方で、緊急事態宣言中に子育て時間が5時間増えた人では0.98倍(-2%)、1ヶ月あたり1.4回減少、つまり調理の時間を削って子育てをしている可能性がある。うつ傾向がみられた人ではさらに少なく0.93倍(-7%)、1ヶ月あたり6.1回減少することが分かった。
また、緊急事態宣言前と緊急事態宣言期間中の平日の野菜の摂取量を比較したところ、緊急事態宣言前よりも全体では1.06倍、もともと毎食野菜を70g食べていた人では、1ヶ月あたりに換算すると385g増加。これは、「レタス1個分」の増加に値する。一方で、「子育て時間」が5時間増えた人では、0.96倍(-4%)、1ヶ月あたりおよそ276g減少、「うつ傾向」がある人においてはさらに少なく、481gつまりレタス1.4個分減少しており、生活様式の変化やうつなどのメンタル不調は、日々の野菜および果物の摂取など食生活にも影響を及ぼしていることが明らかとなった。