2020年10月09日 18:44

国際電気通信基礎技術研究所ヴイストンが共同開発した赤ちゃん型ロボット「かまって『ひろちゃん』」との触れ合いが、認知症高齢者(要介護者)とその介護者に及ぼす効果を検証する長期的な実験を、隆生福祉会の介護施設「特別養護老人ホームゆめパラティース」で開始する。

「ひろちゃん」は、石黒浩さん(大阪大学特別教授、ATRフェロー、ATR石黒浩特別研究所 所長)が提唱した、人のミニマムデザインのコンセプトをもとに、人間の赤ちゃんの存在感を伝えるロボット。2020年1月から本体価格5,000円(税別)で販売を開始している。

要介護者が、赤ちゃんをあやす行為をひろちゃんで疑似体験することで、生きがい作りや癒しの効果があるか、介護者の負担を軽減できるか、長期間の運用実験を通して検証する。今後は、この実験の状況を紹介したり、ひろちゃんを使った介護レクリエーションの方法を紹介する、Webサイト(ひろちゃんコミュニティサイト)を開設し、情報発信を行うとともに、コロナ禍で孤立しがちな高齢者施設の社会的な繋がりを支援していく。

さらに、ひろちゃんのように要介護者に働きかけるロボットを「インタラクティブドール」と呼ぶが、このインタラクティブドールによるセラピー効果を検証することで、要介護者と介護者を支援する新たな産業分野「インタラクティブドールセラピー」分野の創出を狙う。