2019年09月27日 16:01

順天堂大学大学院の研究グループは、パーキンソン病の原因遺伝子の一つであるPLA2G6をモデル動物(ショウジョウバエ)で働かないようにすると、神経細胞内でタンパク質α-シヌクレイン(α-Synuclein)の凝集化が起こり、パーキンソン病発症の原因となる神経細胞死が誘導されることを発見。また、モデル動物にリノール酸を混ぜた餌を食べさせることでα-シヌクレインの凝集化の阻止と神経細胞死の予防に成功した。

この結果により医食同源が治療オプションとなり得ることが示唆され、パーキンソン病の効果的な予防・治療法の開発に向けて、栄養学からのアプローチが可能になることが期待される。本研究成果は米国科学アカデミー紀要(PNAS)電子版に早期公開版として、2019年9月23日付けで発表された。

ハエとヒトでは生体膜の組成が違うことから、今後は、ヒトで同様の現象が見られるか、さらに、食事で予防可能かどうかに焦点をあて、研究を進めていく。