2025年09月09日 19:10

千葉工業大学、海洋研究開発機構ほかの共同研究グループは、深海底に広がるプチスポット火山の活動範囲を正確に特定することが可能な、新しい地質調査手法を開発した。
これは、研究調査船による広範囲の網羅的な音響観測と、有人潜水調査船「しんかい6500」による海底の近傍における高い空間解像度の音響観測を組み合わせることで実現したもの。船上マルチビーム/サブボトムと深海マルチビーム/サブボトムという、複数の音響調査手法を統合させた研究は世界的にも類がない。プチスポット火山フィールドの海底地形・音響反射強度・海底下の地質構造を多角的に可視化して、周辺の異なる地質との関係性もしっかりと把握したことが、今回の成果に繋がった。
日本近海のプレート沈み込み帯で発生する巨大地震の原因や、地球内部で起こるプレート物質循環の実態を理解するためには、プチスポット火山活動が海洋プレートにどの程度の改変を及ぼしているのかを知ることが重要となる。
特定された正確なプチスポット火山の分布範囲を基礎として、今後、プチスポット火山活動が海洋プレートにどの程度の改変を及ぼしているのかが具体的に明らかとなり、日本近海のプレート沈み込み帯で発生する巨大地震活動の原因や、地球内部で起こる物質循環の実態解明に繋がることが期待される。