2025年08月04日 12:51

中村塗装は、築30年の旧カラオケ店を独自の塗装技術と建築再生ノウハウで蘇らせたシェア型ホテル「HOTEL URO(ほてる うろ)」を8月1日に開業した。

中村塗装は1968年創業の塗装専門店。今回の「HOTEL URO」プロジェクトは同社にとって初のホテル運営事業となる。

長崎は街全体が山肌に張りつくように広がり、地形と建築が密接に絡み合った「坂」の街。「HOTEL URO」の対象建築は、かつて地域に親しまれてきたカラオケ店だったが、惜しまれながらも閉店し、その後10年ほど時が止まったような場所となっていた。築30年を経過したこの建築物は、六段ごとに階層が切り替わるスキップフロアの構成で、中央に配された屋外階段にまとわりつくようなカラオケルームが、まるで長崎という都市そのものを体現しているような特異な構造を持っていた。この特異な構造と水回りの欠如という条件のもと、全室に水回りを設けるのではなく、共用に集約することで改修コストを抑えつつ、自由度の高い滞在スタイルを可能にするホステル業態を選択した。

コンセプトは「URO(樹洞)」。木の樹洞を意味するこの言葉には、「街にひそむ小さな余白で、誰かがふと立ち止まり、記憶がとどまる場所」という静かなイメージが込められている。建物全体を一つの大きな木として捉え、小さな客室が樹洞のように左右に配置された構造は、上空に向かって風を感じる階段空間と相まって、様々な生物の棲家となる「樹洞」に滞在するような体験を提供する。

開業日は8月1日。所在地は長崎県長崎市鍛冶屋町6-10。

公式サイト