2025年07月30日 15:52

理化学研究所らによる共同研究グループは、スーパーコンピュータ「富岳」と2台の次世代気象レーダを用いた、超高速高性能リアルタイム降水予報の世界で初めての実証実験を行う。

近年、短時間での大雨の発生回数は増加の傾向があり、強度の強い雨ほど増加率が顕著。このような短時間に局地的・突発的に降るゲリラ豪雨による被害を減らすためには、豪雨の兆候を早期に検知して豪雨の規模や位置を詳細に予測し、安全に係る情報を適時適切に提供することが重要となる。

三好チームプリンシパルらは、30秒ごとに豪雨の高速3次元観測が可能なMP-PAWRとスーパーコンピュータを組み合わせ、30分先までのゲリラ豪雨を予測する超高速高性能リアルタイム降水予報を開発。2021年の東京オリンピック・パラリンピックの期間中には、首都圏を対象にMP-PAWRと「富岳」を組み合わせた実証実験を行った。

今回の実証実験では、関西圏に設置された2台のMP-PAWRを使用。東京オリンピック・パラリンピック時の実証実験の2倍にもなる大容量のレーダ観測データをリアルタイムに「富岳」に取り込むことで、大阪・関西万博会場と周辺地域のゲリラ豪雨を30秒ごとに30分先まで予測。8月5日~31日までの期間、大阪・関西万博来場者や博覧会協会、周辺地域の皆様向けに予測情報を提供する。

これは「富岳」を用いてレーダ観測データと気象モデルを高度に融合させることでゲリラ豪雨のデジタルツインを発展させ、超スマート社会Society 5.0の実現に貢献できるものと期待できる。