2025年07月23日 12:20

認知機能の改善効果が期待されている成分「グリセロホスホコリン(α-GPC)」がeスポーツのパフォーマンスに与える影響についての研究論文を、日油・上岡勇輝さんらが発表した。

eスポーツの関係人口が拡大傾向にあるなか、プレイヤーのパフォーマンス向上はもちろん、競技特有の精神的ストレスに対するメンタルケアの需要も高まっている。呼応して、食品の摂取によるプレイヤーへの影響が多数報告されているが、これまでは主にカフェインとグルコースの効果について報告されていた。

そこで研究チームは、認知機能を改善する効果が期待されているグリセロホスホコリン(α-GPC)に着目した。eスポーツという独特のストレス環境下において、「eスポーツ用サプリメント」として有用かどうかを検証。大学のeスポーツ部などに所属する参加者を対象に2週間、α-GPCを摂取してもらい、彼らのパフォーマンスと心理的状態にどのような影響を与えるかを測定した。

その結果、唾液アミラーゼの分泌量増加を抑制し、eスポーツ後の心拍数の急激な上昇も抑えることが確認されたという。α-GPCを摂取したグループは、ストレス軽減やそれに伴う自律神経の乱れの抑制にも寄与する可能性が示され、ワーキングメモリ(記憶力)が関与する認知課題の正解率も向上する傾向があった。

研究チームは、α-GPCの効果が一時的なものなのか、または長期間にわたる効果をもたらす可能性があるかどうか、さらに探求する必要があるとしている。論文はこちら