2025年06月24日 20:24

東興ジオテックとエアロセンスは、法面吹付用の大型有線給電ドローンと吹付工法を共同開発した。

従来の法面への吹付施工は、作業員がロープにぶら下がりノズルを持って施工する人力施工が主流。重労働かつ高所作業で危険をともなうことに加え、作業員の平均年齢が高く、後継者不足も喫緊の課題となっている。

このたび開発されたのは、エアロセンスが有する有線ドローンの技術を生かして開発を行った、法面吹付用の大型ドローンによる植生基材吹付工法(工法名:グリーンインパルス)。大型ドローンでありながら有線給電により長時間の施工が可能で、これまで作業員が行っていた法面での吹付作業をドローンが担うことにより、法面施工の安全性の向上と労働力不足の解消を図る。

また、ドローンで法面への吹付をおこなう際、クレーンやバックホウ(ショベルカー)などの重機を利用することなく、かつ高所でも施工が可能。そのため、法面から山腹崩壊地をはじめとする災害復旧工事まで施工範囲が大幅に広がる。なお、ドローンによる種子や肥料などを混合した人工土壌を吹き付ける植生基材吹付工法はこれまでに例がなく、国内初の技術となる。

今後は山腹崩壊地をはじめとする、これまで機械施工が困難だった現場の完全無人施工を実現させるために、吹付厚さのリアルタイム計測技術の充実と機体の改良による完全自動航行(施工)技術を検討していく。また将来的には、このドローン技術をモルタルの吹付施工などに活用していくことも視野に入れている。