2025年06月23日 15:32

ハイテクインター、ジツタ中国、土木研究所は、6月12日に10台のハイビジョンカメラ映像と超低遅延エンコーダを用いて2台の建設機械の遠隔操縦に成功した。
実証実験が行われたのは、建設DX実験フィールド(茨城県つくば市)と約900km離れたハイテクインター北海道開発テストセンター(北海道沼田町)間。多数の高品質なカメラ映像を1台の「Starlink Mini」を用いて伝送し、遠隔地から2台の建機を操作することは世界的にも先駆的な取り組みになる。
建設業界では、少子高齢化に伴う作業員不足への対応として、建設現場の自動化・遠隔化による省人化が重要な施策とされている。しかし、山間部や災害現場など、通信インフラの整備が困難な地域では、安定した遠隔操作が実現できず、遠隔施工技術の本格的な普及に大きな障壁となっていた。特に、多数のカメラ映像を用いたリアルタイムな操縦には、高速かつ安定した通信環境が不可欠であり、これまでの通信手段ではコストや遅延の面で導入が難しい状況が続いていた。
そこで、各建機に搭載した4台のハイビジョンカメラ映像をビデオエンコーダ「LVRC-4000」で超低遅延かつ高圧縮で符号化。さらに10台のカメラ映像を、低コストで導入が可能な低軌道衛星通信装置「Starlink Mini」1台を用いて遠隔地に低遅延伝送し、2台の建機を操縦できることを実証した。これにより、これまで困難であった山間部や危険地域において複数の建機を用いて効率的に遠隔地から施工できるようになる。