2025年06月18日 15:59

アグロデザイン・スタジオは、夏の日本では困難な創薬研究用のX線結晶回折実験を実施するため、フランスの放射光施設で測定する「海外放射光測定サービス」の受付を開始した。場所は「European Synchrotron Radiation Facility(欧州シンクロトロン放射光研究所:ESRF)」で、測定料金も結晶16個あたり19万8000円(税別)という低価格を実現している。

医薬品や農薬の研究開発に必要なタンパク質のX線結晶構造解析を行うには、放射光施設でのX線結晶回折実験が必要。しかし、放射光施設の電力消費量は極めて大きいため、SPring-8などの日本の放射光施設は電力需要の高い夏期に運転を停止する。このことが医薬品や農薬の創薬研究が遅延する要因のひとつとなっていた。

そこでアグロデザインでは、8月下旬から9月にかけても稼働しているフランスの放射光施設ESRFを利用することで、夏でもX線結晶回折測定を可能にするサービスを展開する。

海外放射光測定サービスでは、国際輸送と測定のみを代行。利用者が凍結させた結晶サンプルを千葉県柏市の同社研究所まで送ると、同社がフランスへの凍結結晶の輸送とX線回折測定を実施。その後、測定データを返送する。価格は、結晶16個が保存できる Uni-Puck1個あたり19万8000円(アカデミア価格:16万円・税別)。詳しくはこちら