2025年06月13日 12:39

朝日新聞社は、「ファクトチェック編集部」を発足する。
ファクトチェックとは公人の発言やネット上で広く拡散された情報など、社会的影響が大きい言説について、内容が事実に基づいているかどうかを検証する活動。朝日新聞社は、ファクトチェックの取り組みを強化する。司令塔となる「ファクトチェック編集部」を発足させ、編集局が一体となって取り組む。これまでは政治部を中心に、主に公人の発言の真偽をチェックしてきたが、インターネット上の偽情報や誤情報まで対象を拡大。民主主義の基盤となる、健全な言論空間を守ることが目的だ。
公正性や透明性など、「国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)」が定める五つの原則をもとに、判定基準を設定。不偏不党の立場から、客観的な証拠に基づいて、真実性、正確性を検証する。6月の東京都議選、7月の参院選でも、有権者の選択に資する情報を届ける。ファクトチェックの記事は、朝日新聞のデジタル版で全文を無料で公開する。
新設の「ファクトチェック編集部」には、編集長を置き、この編集部を中心として編集局全体で取り組む。「全員がファクトチェッカー」が合言葉だ。編集長はゼネラルエディター補佐の仲村和代さんが兼務。メディアやSNSなどの問題を記者、デスクとして担当してきた。仲村編集長は、「偽情報や誤情報があっという間に広まる状況に対し、「事実かどうか」を取材過程や根拠と共に示すことで、少しでも歯止めをかけられれば」と話している。