2025年06月13日 09:53

エー・スター・クォンタム、伊藤忠テクノソリューションズ、TriValueの3社は、量子コンピューティングと数理最適化の技術を活用した配送ルート作成サービス「OptyLiner(オプティライナー)」を共同開発した。

物流業界では、ドライバー不足や働き方改革による労働時間の制限、CO2排出量の削減などの課題に直面し、効率的な配送計画の策定が重要となっている。精度の高い配車やルートの計画は、熟練職員がドライバーの負担や特性に配慮しながら試行錯誤している。また、精度の高い配送ルートの策定には時間がかかり、受注を早めに締め切る必要があることから、空車が生じる場合もある。

「OptyLiner」は、車両の積載量や台数、ドライバーの労働時間など、複数の条件を考慮し、移動距離、稼働台数、CO2排出量などを最小化する最適な配送ルートを高速で算出するサービス。物流企業のTriValue社との実証実験で、荷主の特性や地域情報を熟知した熟練職員が手作業で3時間かかっていた配送計画の作成時間を約95%削減し、熟練職員と同等以上の配送計画作成を10分以内で完了できることを確認した。物流業界の課題である配送計画の作成の効率化やCO2削減などに貢献する。家具、建材、家電など配送先での作業が発生する製品を扱う企業を中心に展開し、作業者のスケジュールまで含めた高度な配送計画の策定を支援する。

今後3社は、共同配送を行う際の管理機能や、蓄積した配送データを分析した需要予測などのサービスを拡充して、物流業界の変革を支援していく。