2025年06月06日 16:06

バイオ科学社は、国産熊スプレー「熊一目散」を開発。5月より全国で販売を開始した。近年、熊による事故が全国各地で増加傾向にあり、山間部だけでなく里山や住宅地周辺でも遭遇リスクが高まっている。本製品は、酪農学園大学・佐藤喜和教授の監修のもと、3年間にわたる開発期間とフィールドテストを経て完成。ヒグマなどに対して忌避効果があるとされるカプサイシンを2%以上配合し、最大噴射距離約10m、連続噴射時間約10秒という高性能を実現した。

使い慣れたボタン式ノズルと誤噴射を防ぐキャップを備え、片手で素早く取り出せる専用ホルダーとのセット販売も用意。現場での使用を想定した設計が随所に施されており、アウトドア初心者から農作業従事者まで幅広い層に向けた仕様となっている。

また、海外製品に多く使われている温暖化物質HFCガスを使用せず、環境への負荷が少ないLPガスを採用。さらに近年は、為替の影響により海外製品の価格が高騰している中、「熊一目散」は価格も9900円(税込)からと、性能・安全・環境・コストのバランスを備えた「選べる国産品」として注目を集めている。

開発を担当した奥谷陽さんは、「人を襲った熊は駆除対象となってしまいます、不必要な接触事故を防ぐことで人も熊も守ることができます。『熊一目散』の活用を通じて、熊と人間が適切な距離を保ち共存できる環境づくりに貢献したいと考えています。」とコメントしている。詳しくはこちら