2025年06月04日 15:46

パナソニックHDと西日本家電リサイクル(NKRC)は、ガラス扉冷蔵庫のリサイクル工程において、ガラス扉からガラス板をレーザー光で剥離する装置を開発した。
パナソニックHDは、2019年からレーザー加工技術をリサイクル分野に活用する研究開発活動を開始。2022年にガラス扉のガラスを透過するレーザー光を用いてガラス裏面の有機塗料を炭化させることで、ガラス板のみを剥離可能にするレーザー剥離工法を開発、レーザー剥離工法の社会実装に向けた取り組みを進めていた。
一方、NKRCは、廃ガラス扉冷蔵庫量の増加による破砕機へのダメージを避ける目的で人の手によるガラス板の解体を行っていた。しかし剥離作業による切創等災害リスクの低減と今後予想される廃ガラス扉冷蔵庫の増加に備えて分解工程の自動化の取り組みを検討していた。
ガラス剥離工程の自動化を目指していきたいといった両者の想いが一致した結果、2023年よりレーザー剥離装置の開発に向けた協業を開始。NKRCが検証エリアと剥離用冷蔵庫扉の提供、実際に検証機を使用しての課題抽出と改善提案を行い、パナソニックHDが課題解決と改善提案に基づく作業性向上と安全対策を装置設計に反映させて装置化を行った。
開発した装置は、冷蔵庫のガラス扉からガラス板のみを選択的に剥離できることが特長で、簡便なリサイクル工程でガラスの単一素材化が実現できる。剥離したガラスは板状でかつ付着した炭化物は容易に除去できるため、ガラスの再利用拡大にも繋がる。