2025年05月30日 19:28

ヤマレコ、KDDI、長野県警察本部は、衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」と登山アプリ「ヤマレコ」と山岳遭難救助隊が一体となって連携した、山間部での救助活動の実証に成功した。
山岳遭難事故は増加傾向にあり、2023年には全国で過去最多の3126件が発生している。電波の届かない場所の多い山間部では、遭難しても連絡する手段がなく、家族や緊急機関が状況を把握するまでに数日から数十日かかることがあった。
長野県警察での救助にあたっては、2次災害の防止や適切な救助方法の検討のため、遭難者の状態・登山計画・保険加入有無などを確認している。既存の衛星SOSサービスでは、特定OS端末に限られるほか、これらの詳細情報取得ができないため、迅速に情報を取得できる新たな手段が求められていた。
本実証では、山間部の圏外エリアにおける遭難者が、衛星とスマートフォンの直接通信を利用し、「ヤマレコ」を通じて、救助要請と遭難状況を、遭難者家族および遭難者情報照会システムにリアルタイムに共有。これにより、家族から警察への通報に加え、警察での遭難者情報照会システムを通じた遭難状況確認を迅速に行うことが可能に。
これまで数日から数十日かかっていた救助初動までの時間を、今回の実証では30分以内へと大幅に削減した。KDDIとヤマレコは、1人でも多くの遭難者を救うべく、本実証の成果を活かし、2025年夏以降の本格運用を目指す。