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2025年05月29日 13:02

ABBは「 Top Industrial Efficiency (TIE) 」イニシアチブに基づいて設計された新しいモータにより、大型同期モータのエネルギー効率における自社の有していた世界記録を更新した。インドの製鉄所向けに製造されたこのモータは、試験で99.13% の効率を達成し、ABBが2017年に樹立した 99.05% の世界記録を大幅に更新した。

効率は、モータが消費するエネルギーと、そのエネルギーによって生み出される運動エネルギーの比率で、理論上の限界は100%。この目標に近づけることは、モータの設計および製造においてますます困難になっている。そのため、これまでの世界記録は8年間も更新されなかった。

効率レベル98.64% の標準設計ではなく、TIE に最適化されたモータを選択することで、25年間の使用期間で、約61GWh のエネルギーと590万ドルの電力コストを節約できる。これは、世界最大の洋上風力発電所の4日間のピーク出力に相当。またこれによって4万5000トンのCO2の排出を削減することができ、これは1年間で1万台の車を道路から削減する効果に相当する。電力料金が高い他の国では、節約効果と削減可能な排出量はさらに大きくなる。

製鉄所は、モータの25年間の使用期間にわたって、エネルギー効率の向上により、約600万ドルの電力コストを削減できる見込み。エネルギー効率への投資は、3カ月強の回収期間と予測されている。