2025年05月15日 18:54

CYBOは、東京大学大学院理学系研究科の合田圭介教授らによる共同チームの論文の、科学誌「Nature Communications」オンライン版への掲載について東京大学と共同発表を行った。掲載されたのは「Direct evaluation of antiplatelet therapy in coronary artery disease by comprehensive image-based profiling of circulating platelets」。

冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)において血栓は重要な役割を果たし、血小板凝集を抑制する抗血小板薬(アスピリン、プラスグレルなど)は冠動脈疾患管理に必須の薬剤。しかし、生体内において血小板凝集の程度を直接評価することは、従来の血小板機能評価方法では困難だった。

本研究では、207名の冠動脈疾患患者から採取した血液内の循環血小板凝集塊を、マイクロ流体チップ上で高速流体イメージングにより大規模撮影。AIを使って画像解析することで、従来の手法とは異なるリアルタイムかつ直接的な血小板機能評価を行った。その結果、冠動脈疾患患者では健常者と比較して、血小板凝集が亢進し、抗血小板薬の数に応じて血小板凝集が抑制され、さらにそれらは静脈と動脈のいずれの部位においても同様に認められることを示した。

本研究結果は、冠動脈疾患患者のスクリーニングや、抗血小板療法の個別化、最適化、非侵襲モニタリングへの貢献が期待される。