2025年03月13日 16:20

TIS、東京都市大学、岡山理科大学、工学院大学は、バーチャル空間におけるアイデア出し会議において、参加ユーザーの外見と類似するアバターと類似しないアバターを比較。バーチャル空間におけるアバターの外見がアイデア出し会議に与える影響を検証した。

組織におけるイノベーション創出のためのアイデア出し会議においては、「バランスのとれた参加」「受容的な姿勢」が重要だとされている。しかし実際には「グループの中に自分より社会的地位や年齢が高い参加者がいたときに発言を控えてしまう」「自分より社会的地位や年齢が低い参加者の意見を受け入れない」ということがしばしば発生する。

この要因と考えられるのが、参加者間の社会的カテゴリー(人種、性別、年齢、国籍、職業、階級など)の差異に基づく先入観や固定観念。そこで、外見の社会的手がかりによる先入観や固定観念への影響を低減できれば、バランスのとれた参加、そして受容的な姿勢を促すことができると考え、アバターの外見が与える影響を検証・考察した。

成果として、ユーザーの外見と類似しないアバターによる会議は、参加のバランスやポジティブなリアクションを促進する効果があることを明らかにした。本研究成果は、バーチャル空間における会議、ワークショップなどで活用されることが期待されている。なお、本研究成果は、情報処理学会の「論文誌ジャーナル Vol.66 No.1」に掲載され、特選論文に選定された。