2025年03月12日 19:23

磁気研究所は、カセットテープができるまでの工程を約3分の動画にまとめ、貴重な生産現場を公開した。
同社では国内でのカセットテープ生産設備および技術の保全継承を目的とする「磁気研カセットラボラトリ」を運営している。2020年に運用開始した本ラボラトリは、材料調達からマスタリング、デュプリケーション、カセットへの巻き込み、個包装、パッキングを一貫で行えることが強み。現在年間約2万本生産体制で稼働している。
年間2万本もの生産体制を支えているのは、老舗企業より継承した生産技術。2020年、長年にわたりミュージックカセットテープを製作してきた企業が事業撤退を決定した。その際に生産設備を譲りうけ、今日に至るまで現役稼働している。
また、エンジニアには30年以上カセットテープ製作に携わってきた専門の技術者を配し、安定した品質を提供するための技術人材を整えている。これらの生産技術は、磁気研究所の掲げた「これまで国内で販売されてきたミュージックカセットテープの1歩先を行く品質を目指す」という目標の礎となっている。
アナログ録音製品は、デジタル録音とは趣が異なる、やわらかな音質という特性に加えて、カセットという物体にアーティストの思い出を入れて所有する楽しさが魅力。カセットに慣れ親しんできた世代にかつての楽しみを提供し、そしてカセットを知らない世代に新たな楽しみが広がっていくことを願っている。