2025年03月05日 09:02

筑波メディカルセンター病院は、筑波大学ADP(アート・デザインプロデュース)の学生チーム「パプリカ」、およびチア・アートと協働し、2021年に緩和ケア病棟で行ったクラウドファンディングの余剰金500万円を利用して、重症患者が入院する集中治療病棟(ICU)内の家族控室2部屋を改修。3月3日より正式利用がスタートした。

茨城県南地域の三次救急医療を担う、筑波メディカルセンター病院の救命救急センターは、年間6300件を超える救急搬送のほか、ドクターカーの運用、救急ヘリコプター搬送による重症患者受け入れを行っている。

今回改修したICU家族控室は、重症度の高い患者や病棟で急変した患者の家族が、処置が終了するまでの間に待機する場所で、一日あたり最大10組が利用し、長い時は8時間近く滞在する場合もある。筑波メディカルセンター病院のICUは開院当初からある棟に位置しているため、老朽化に加え、「狭く圧迫感がある」などの職員からの声もあり、療養環境改善が長年の課題となっていた。

そこで、2007年より行われている病院アート・デザイン活動の一環として、ICU家族控室の改修に取り組んだ。費用面では、2021年に実施した緩和ケア病棟家族控室改修のCFの余剰金を、本改修の一部に充てることとし「患者さんとご家族のための療養環境の改善」というプロジェクト当初の想いを継承しつつも、ICUという病棟の特性に配慮し、シンプルながらも身体と心が休まり、不安な気持ちを換気できる空間に整備した。

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