2025年03月04日 15:39

自然保護助成基金と日本ナショナル・トラスト協会が共催する「第20期ナショナル・トラスト活動助成」の助成先が、霧多布湿原ナショナルトラスト(北海道浜中町)に決定した。「ナショナル・トラスト活動助成」は、貴重な自然を守るための土地の購入費用等を助成し、地域のナショナル・トラスト活動を応援する全国でも画期的な助成制度。
希少な生きもののすみかや、将来世代に引き継ぎたい美しい風景であっても、私有地の場合は土地所有者の意向によって改変されたり、開発されたりする可能性がある。国内の重要な自然を守っていくためには、各地域で土地を確保してその自然を守るナショナル・トラスト活動の推進が急務。そこで、自然保護助成基金と日本ナショナル・トラスト協会が協力し、2005年に本助成制度を創設した。
同団体は今期の助成金を活用し、霧多布湿原内の原野1.5haを購入した。取得した土地は、霧多布湿原の南端部分に位置し、多種多様な花々が咲く1万5580平方メートルの湿原。住宅エリアや道路に近接し、太陽光パネル等の開発の危険性が高い場所にある。
この度の土地取得によって、周辺から迫る太陽光パネル等の開発を未然に防ぎ、貴重な湿原環境の一部を確保。霧多布の原風景を未来の子どもたちに引き継ぐことができる。同団体は2000年より、霧多布湿原を開発等から守るため湿原3168haを対象に私有地の買い取りを進めており、これまでに約1160haの土地を取得している。