2025年02月19日 19:05

アルヌールは、山川町漁業協同組合、神戸大学の川井浩史特命教授、鹿児島県水産技術開発センターの協力のもと、鹿児島県にて海洋養殖用種糸の陸上育苗を開始した。
カギケノリは飼料に微量添加するだけで牛のげっぷに含まれるメタンガスの発生を抑制する効果があるとして注目を集めている海藻。しかしながら、全国の牛の飼料に添加することを目指すには天然のカギケノリを収穫するだけではまかなえない。そこで、アルヌールでは海と陸の両方でカギケノリの大量養殖技術の研究開発を行っている。
この度、アルヌールではこれまでの実験を踏まえて小さなカギケノリが付いた海洋養殖用の種糸の作製を行った。この種糸を鹿児島県へ運び、水槽の中に張って育苗実験を開始。海洋に出しても微細藻類や環境変化に負けない強いカギケノリに育てる。今後、カギケノリの生育を観察後、海へ移す。種糸を設置する地点の潮流や水深などがカギケノリの養殖にどう影響するのか試験する予定。この実験結果をもとに最適な養殖条件の検証を行っていき、海洋養殖の段階的な規模の拡大を目指していく。
アルヌールでは現在、カギケノリを含む藻類の培養でバイオスティミュラントを用いた場合の培養試験を受託する。バイオスティミュラントを用いることで、生育速度や生育量が上昇する場合には培養時間の短縮につなげることができる。また、藻類の持つ機能性成分の含有率の上昇にも寄与する可能性がある。