2025年01月10日 12:59

山と溪谷社より「アリの放浪記 多様な個が生み出す驚くべき社会」が1月10日に刊行された。本書は、地球上に2万種存在するともいわれているアリの専門家である、オドレー・デュストゥールさんとアントワーヌ・ヴィストラールさんが、アリの魅惑的な社会生活を紹介した、わくわくするようなアリの一大放浪記。

本書には世界各地に生息する75種類のアリが登場するが、その中でも、個体の5~10%しかいない、コロニー全体の食料供給を担う「採餌アリ」に焦点を当てている。本書は、環境によって異なるこのアリたちの独特な生態と冒険物語を、アリと同じような目線になって体感できるような、一般読者にもわかりやすい科学読み物。フランスではアリに関する本では異例の大ヒットを記録した。

主人公である採餌アリはすべてメスであることから、本書ではヒーローではなくヒロインとして表記されている。このヒロインたちには、クロールで水辺を渡る水泳選手、仲間を救助し治療する看護師、地下でキノコを栽培する造園家、敵を巻き込んで自爆する特攻隊、空中を舞って落下するグライダー部隊など……数多くの専門家が存在。アリの驚くべき個性と能力、多様性が伺える。

アリの視点で世界を見ることで、自分たちの社会構造や自然との付き合い方を問い直す一冊。総頁数408ページ、定価3190円(税込)。詳しくはこちら