2024年12月06日 13:36
12月5日(日本時間)に、「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録された。日本清酒発祥の地である奈良県の酒文化がさらに世界へと広がり、そして伝統的な酒造りの魅力を発信する新たなステージが拓ける。
ユネスコ無形文化遺産保護条約では、「無形文化遺産は、世代から世代へと伝承され、社会及び集団が自己の環境、自然との相互作用及び歴史に対応して絶えず再現」と定義されている。奈良文化財研究所は、まさに古代の酒文化に関する研究と再現に取り組んできた。
平城京の木簡や古文献などを基にした地元酒造企業との古酒の再現プロジェクトをはじめ、奈良時代の甘酒の研究や、平城宮跡の「造酒司の井戸」の調査などを実施。奈良ならではの酒の歴史、文化を掘り下げ、その魅力を発信している。今後も奈良の文化財研究機関として、奈良の酒に関する研究や文化的側面から支援する活動、情報発信に積極的に取り組んでいく。
また酒造りや観光に関わるメンバーで構成する「日本の食の聖地巡礼・NARA」実行委員会は、日本酒を軸とした奈良のガストロノミーツーリズムを、行政とも連携しながら推進中。本委員会は、この度の登録を受けて、「奈良酒」の魅力の国内外への発信に一層取り組んでいく。この機会を最大限に活用し、奈良の伝統と革新を融合させた酒文化の価値を広めることを目指す。