2024年10月28日 15:50
大阪ガスとKRIは10月より、Daigasグループで利用する電気自動車(EV社用車)から取得するデータを用いて、EV蓄電池の劣化診断および寿命予測モデルの実証実験を開始する。
2050年のカーボンニュートラル実現へのカギを握るEV(電気自動車)。Daigasグループは、「エネルギートランジション2030」の中で、2030年度までに社用車のCO2排出ネット・ゼロを掲げ、8月から社用車へのEV導入をスタート。2025年9月までに約15台の導入を目指している。
しかしEVバッテリーは、スマートフォンと同じように、使う人や環境によって劣化の進み方が大きく異なる。外気温、充電の頻度、運転の癖など、様々な要因が複雑に絡み合うため、これまで「あと何年使えるのか」を正確に予測することは困難だった。この課題解決に向け大阪ガスとKRIは、長年の研究開発で培ってきたバッテリーの分析・評価の知見を活かし、個々のバッテリーの劣化診断と寿命予測を行う技術の開発を進めてきた。
本技術の特長は、特殊な検査機器を必要とせず、EVの日常的な使用時に得られる充電データ等だけで劣化診断が可能な点。さらに、バッテリー残存能力の予測において、使用環境や時間経過に伴って徐々に進む通常の劣化(一次劣化)だけでなく、劣化メカニズムの変化による突然の大幅な性能低下(二次劣化)のパターンも分析できる。本実証実験では、実際のEV社用車から得られるデータを解析し、この診断・予測技術の実用化に向けた検証を行う。