2024年10月22日 12:59
esa(イーサ)は、廃棄された漁網から再生した樹脂を用いたボトル試作品を発表した。
プラスチック廃棄物の増加や海洋プラスチック問題は、世界的に大きな課題となっている。特に、海に放棄された漁網は、自然環境や生態系に深刻な影響を及ぼしており、そのリサイクルは急務だ。一般に使用されているプラスチックの多くは、多層プラスチックフィルムに代表されるように、機能・性能を持たせるために性質が異なる複数種類のプラスチックを複合して使用されている。しかし、複数種類が複合されたプラスチックのマテリアルリサイクル手法は確立されておらず、既存技術では再生原料として使用されることはほぼなく、焼却もしくは埋め立てられていた。
esaは、2022年3月の設立以来、2000トンを超える複合プラスチック処理の実証実験を重ね、複数の素材が混ざったまま溶解・圧縮してペレット化する特殊技術「esa method」を開発。これまで焼却や埋め立てに頼っていた複合プラスチックをマテリアルリサイクル化し、再生資源へと変換することが可能になった。これにより、今まで扱えなかった素材をリサイクルできるようになるだけでなく、途中工程で排出されるCO2を圧倒的に少なくし、コストも抑えることができるようになった。
今回のボトル試作品はその研究開発の成果の一つ。この技術を活用し、漁網由来の再生樹脂をボトルの形に成型することに成功した。従来のリサイクルが難しい複合素材や放置されていた素材を再利用し、実用的な製品として形にすることで、循環型経済の実現に向けた一歩を踏み出している。