2024年08月29日 12:59

三菱地所と大林組は、CLT(直交集成板)の屋外利用における技術確立を目的に、共同研究開発契約を締結し、長さ3mの大型試験体による屋外暴露試験に着手した。
CLTは、ひき板(ラミナ)サイズの製材を、同程度の強度のもの同士で直交方向に貼り合わせ、均質な大断面部材を作るエンジニアリングウッドの一種。集成材は平行に張り合わせることで繊維方向に強く柱梁などの使用に向き、CLTは直交方向に貼り合わせることで2方向に強くなるため、床や壁などへの使用に向いている。重量当たりの強度はコンクリートよりも強く、断熱性にも優れている。
持続可能な社会の実現に向け、「木質建築」の普及が進行している。しかし木材の屋外活用においては、太陽光による紫外線や風雨への暴露、気温の変化など、屋内と比べて木材に与える外的要因が多いことから、限定的な普及に留まっている。
そこで、CLTや木材の屋外活用に求められる品質に関わる各塗料の特性・適切なメンテナンス・基材への加工を検証すべく、三菱地所と大林組は本研究を開始。三菱地所のグループ会社であるMEC Industry、及び大林組のグループ会社であるサイプレス・スナダヤの本社工場敷地内に、計23本の大型試験体を長期的に設置。経年変化を定期的にモニタリングする。本研究の成果を、CLTや木材の屋外活用につなげることで、国産木材の普及に寄与し、脱炭素・循環・自然共生社会の実現に貢献していく。