2024年08月16日 09:01

島原観光ビューローは、島原城築城400年記念第42回「島原城薪能」を開催する。

秋の夕暮れ、「カーン」と鼓が響き、謡曲が流れる。篝火が能舞台を明るく照らし、その中に鮮やかな能装束のシテとワキが雅やかに舞う。島原城薪能を鑑賞して、島原の名と共にある幸せをしみじみ感じる一夜となる。

能は日本が世界に誇る伝統芸能。600年も昔に生まれた。能は演劇で、舞踏と音楽と演劇が一体となった総合芸術。その中には狂言という分野もある。能をまとめたのは観阿弥(カンアミ)で、子の世阿弥(ゼアミ)によって15世紀頃に大成。室町幕府の保護のもとに、今までのどんな貴族的なものにも負けない高度な美を築き上げた。その後、戦乱の時代も生き抜いて、武将の教養として必須科目となった。

江戸時代には、幕府の式楽(儀礼用の演劇)となり、武士道的な技芸の鍛錬として、300年間磨かれてきた。今日見られる能の演技は、この時代に完成されている。もちろん島原でも行われ、島原藩主は盛んに能を催している。島原城には能楽堂があり、松平文庫には多くの謡本や狂言本が伝えられている。やがて町人や農民にも広まり、藩主に招かれて上演したりと、島原にも能の長い歴史と文化がある。島原ではその伝統と文化を守り育てていこうと、1983年に「島原城薪能」が復活し、現在まで続いている。本年は島原城築城400年記念事業として開催される。

入場無料。開催日時は10月5日17時〜20時半(終演予定)。開催場所は、島原城天守閣前広場。