2024年07月18日 09:49

パナソニック ホールディングスは、カリフォルニア大学バークレー校、北京大学、カーネギーメロン大学の研究者らと、未知のデータを効率的に見分けることに着目したAI技術「Split-Ensemble」を共同開発した。

AIの信頼性は様々な面から問われている。中でも、AIが学習していないものを未知データと判定できないという問題は、ユースケースによっては致命的なリスクに繋がる。そこで、AIに解かせるタスクを、似たような対象を分類する複数のサブタスクに分割し、サブタスクの中で「未知データ」も多面的に教え込むことで、未知データを見分ける能力を効率的に獲得する新しいAI技術「Split-Ensemble」を開発した。本技術は先進性が国際的に認められ、AI・機械学習分野のトップカンファレンスであるICML2024に採択された。

今回共同開発した「Split-Ensemble」は、従来の1/4の計算コストで未知データを意識した学習を行える手法であり、AIが学習していない分布外のデータ(out-of-distribution、OOD)への対処が求められる様々な場面で役立つことが期待される。本手法の最も大きなインパクトは、独自のアーキテクチャにより深層学習モデルにOODの検出能力を向上させたという点。今回の取り組みでは、ImageNetデータセットなど比較的小規模なタスクで評価を行ったが、今後本手法を大規模なLLMsに適用することで、ハルシネーションの抑制などにも繋がっていくと考えられる。

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