2024年07月10日 19:40

創元社より「美しいトマトの科学図鑑」が7月9日に刊行された。本書では、美しく精細な写真とともに個性派ぞろいのトマトを紹介する。

世界中で愛されているトマトは、全世界で1万種以上。日本で品種登録されているだけで300種があり、毎年新種が開発されている。本書では、そのうちの50種を取り上げる。なんといってもこの本の魅力は、みずみずしいトマトの写真。茎や果実の「うぶ毛」まで見える精細な写真は、ぱらぱらページをめくっているだけで時間を忘れてしまいそう。

本書に掲載されているトマトはすべて、本書の著者のひとりである矢守航(ヤモリ ワタル)東京大学農学部准教授が東大の農場で育て、見た目や味などの科学分析をおこなったもの。矢守航さんは、東京大学大学院農学生命科学研究科にて准教授を勤める植物学者。植物に魅了され続け、身の回りに存在する雑草から遺伝子組換え植物まで多岐にわたりその面白さや不思議を見つけてはワクワクし、その不思議さを追究。「フィールドとラボをつなぐ植物科学」を研究室の看板として掲げ、光合成の仕組みを解いて食料難に立ち向かうべく日々研究を行っている。

紹介されるのは、昭和初期に出回っていた「世界一トマト」、洋ナシのような形の「イエローペア」、黒くて存在感抜群の「ブルービューティートマト」など。大きさ、形、うま味、季節と味の関係などを科学的に分析している。定価1980円(税込)。