2024年06月04日 19:00

パナソニック アドバンストテクノロジーは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と「CG画像と少量データを用いた月面探査ローバー向け運転支援AIの試作」に関する共同研究を開始する。

同社は、ソフトウェア/システム開発を主業務とする会社。2011年に発行された自動車機能安全規格ISO26262において、2012年にASIL D(自動車安全水準の最高ランクD)を認定取得。機能安全対応の車載ECU開発をはじめ、建設機械の自動運転、モノ搬送ロボットなどのモビリティ開発を多数手がけている。

本研究は、JAXAが推進する宇宙探査イノベーションハブ「太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブ」にて実施した研究成果をもとに、ステレオカメラにより月面探査ローバーの安全な移動の妨げとなる岩石とクレータを障害物として検知する機能を向上させ、月面を環境認識する運転支援システムを試作開発する。

本研究では、シミュレータにより大量の月面環境を模したCG画像を生成しソースドメインとして構築し、それに対して少量の月面の実撮影データをターゲットドメインとして、敵対的学習・半教師あり学習を実施しドメイン適応を行うことで、少量の教師データでも精度を低下させない物体検出深層学習手法を試行している。本研究開発により、低コストで精度の高いAIの開発が可能となり、地上でも教師データが入手困難であると言う理由で今まで普及が進んでいなかった事業領域にもAIシステムを適応できるようになる事が期待できる。

パナソニック アドバンストテクノロジー