2024年05月24日 16:11

ispaceは、英国国立レスター大学との間で、月面での越夜に関する技術的な共同開発および、将来的な月面ミッションでの実証実験について合意。現在日本法人で開発中のシリーズ3ランダー(月着陸船)およびローバー(月面探査車)の拡張機能として、ラジオアイソトープヒーターユニットを搭載。月面での越夜に挑戦するための戦略的なコンサルティング契約を締結した。

月面では、気温が摂氏マイナス170度まで下がる夜間が約2週間続く。その間一度も太陽が月面を照らすことはなく、また月面において太陽光エネルギーを利用した発電等も実施することができない。そのため月面において長期ミッションを実現するためには、過酷な低温環境となる夜間を越えて活動を再開させるための新しい技術やシステムが必要不可欠になる。

レスター大学の宇宙原子力発電グループは、10年以上にわたり、ラジオアイソトープによる発電システムを研究開発してきた。この発電システムはラジオアイソトープの崩壊熱を利用して宇宙機に熱を供給。また熱から電気を作り、主要サブシステムに電力を供給することが出来る。

ispace Founder & CEO 袴田武史さんは、「この機能がispaceのランダーやローバーに搭載されると、今後多くの月のプレーヤーに対して、より長期的かつ多様なニーズに対応した月面ミッションを提供できるようになり、シスルナ経済圏発展に非常に大きな一歩になる」と語った。