2024年05月24日 12:58

東洋ガラスは、2025年12月に予定している千葉工場ガラス溶融窯1基の大規模修繕にあたり、燃焼方式を空気燃焼から酸素燃焼に変更する。
国内のガラスびん用大型溶融窯は空気燃焼方式だが、ガラス溶融の燃焼で使用する空気には約80%の窒素が含まれ、この窒素はガラス溶融の伝熱に寄与せずに排ガスとなっている。そのため、窒素を含む空気燃焼には無駄なエネルギーが必要となり、温室効果ガス(GHG)削減に対して大きな阻害要因だった。
今回、従来の生産量を維持しつつ、窒素を含まないガラスへの伝熱効率が高い酸素燃焼方式の導入で、溶融窯1基あたりのGHG排出量が約20%削減されることが見込まれる。同時に空気燃焼窯で排熱ガスの蓄熱に用いられるれんがも不要となるため、省資源・廃棄物の観点からも環境に配慮した溶融窯の構築が可能となる。ただし、酸素を供給する設備および稼働に要する費用が必要となるが、今や企業の責任となるGHGの削減に対して、顧客各位の理解を得ながら最初の一歩を進める決断をした。
一日当たりの生産能力が200tを超えるガラスびん用大型ガラス溶融窯に酸素燃焼方式を導入するのは国内初となる。ガラスびんは内容物の保護に加え、3Rすべてに対応した環境に優れた容器だが、東洋ガラスはこの酸素燃焼導入を足掛かりにGHG削減の技術開発を進めることで、さらに環境負荷の少ないガラスびん製造を目指す。