2024年05月15日 15:50
このたび世界文化社は、東京藝大の授業から生まれた型破りな美学の入門書「東京藝大で教わるはじめての美学」の2刷重版を決定した。著者は東京藝術大学教授の川瀬智之(かわせ・ともゆき)さん。絵画への理解を深める一冊として好評を博している。
絵を見るとはどういうことなのか。絵を見る人は何を見ているのか。その人の中では何が起こっているのか。――美や芸術についての哲学的な問いを扱う学問が美学。本書は、東京藝術大学ではじめて美学に触れる学生を対象とした授業のうち、20世紀フランスの思想家を取り上げた回を選択。その絵画論を、わかりやすい図解と実際の芸術作品を使って紹介している。「絵を見ること」の意味をじっくり考え、絵画の見方が変わる一冊。
本書では6人の美学者や哲学者の原典を引用し、それに解説を加えるという形式で話が展開される。中には抽象的で難解な考え方も扱うが、やさしく具体的な例え話も交え、実際の授業さながらの語り口で読み解いていく。また読者の理解を促すため、抽象的な概念は可能な限り図解にすることを試みた。
本書では、美学の理論に沿う形で有名な芸術作品も多数登場する。美学者たちは、それらの作品のどこを見て何を評価していたのか。話に出てくる名作絵画を取り上げ、見かたのポイントをわかりやすくビジュアル化した。定価1980円(税込)。詳しくはこちら。