2024年05月14日 13:01

大日本印刷(DNP)は、リサイクルに貢献するポリプロピレン(PP)をベースとした自動車用加飾フィルムの量産技術を確立した。DNPが長年培ったPPフィルムへの印刷・加工技術を活かして高い意匠性・成形性を実現した本新製品は、温室効果ガス(Green House Gas:GHG)排出量の削減も期待できる。

国内では年間で約350万台の自動車が廃車されている。2002年に自動車リサイクル法が制定され、廃車の95%以上がリサイクルされるようになった。そうした中で、解体・破砕後に残るプラスチックくず等の、自動車シュレッダーダスト(ASR)は、サーマルリサイクル(焼却処理)されている。

欧州では「自動車設計・廃車(ELV)管理における持続可能性要件に関する規則案」改定の検討が進み、近い将来、自動車への再生プラスチックの使用が義務化される見込み。国内外の自動車メーカーや自動車関連部材を扱う企業はその対応に動いている。

こうした状況に対し、自動車部品として使用量が多くリサイクルに適したPPは、今後更に増加が見込まれる。その一方、加飾フィルムのベースとして使用すると、インキの密着性が弱く、高い意匠表現と物性・成形性の両立が難しいという課題があった。DNPは、培ってきた印刷技術・ノウハウを活かして、高い意匠性と物性・成形性を両立させるという課題を解決し、PPをベースとした自動車用加飾フィルムの量産技術を確立した。