2024年05月07日 16:12

コズムは自動車用製品を製造する三桜工業の部品製造工程において、AIを活用した気密検査のPoCを約1カ月間行い、100%の精度で気泡検知に成功した。
三桜工業は1939年に設立され、1960年代より自動車部品の製造事業を開始した、自動車用製品を提供する東証プライム上場の製造メーカー。同社では、自動車用重要保安部品と呼ばれる、二重巻鋼管を使用したブレーキ配管、一重巻鋼管や樹脂チューブを使用した燃料用などの配管などを製造している。これらの多くは人命に関わるため、厳格な品質管理が求められる重要保安部品。
このたびコズムは、それらの重要保安部品の品質管理において、AIを活用した気密検査工程の品質を均一化するシステムを導入した。
従来の品質管理方法では、部品の欠損を確認するために、人が手作業で部品を水中に浸し、気泡の有無を目視で確認していた。今回のPoCでは、AIによって画像データを学習させ、気泡を検知する手法を採用。これにより、人の目視作業に比べて効率的かつ均一化された品質管理が実現。
気密検査は、様々な気泡のデータを機械学習させたモデルが気泡を判別し、検知するという仕組みで行われた。このPoCは約1カ月間かけて実施され、その間に98%以上という高い精度での気泡検知に成功。また、その際に気泡以外のものを気泡であると誤検知することはなかった。今後、検査工程への実導入にあたり、より多くのデータを撮影し、学習を進めることでさらに精度を向上させることができると考えている。