2024年05月02日 19:03

NTT東日本は、クリハラリス(タイワンリス)の生息状況調査の省力化を図るため、鳴き声AI解析による識別調査を行った。

タイワンリスは、鎌倉エリアをはじめ横浜・川崎・横須賀エリアで増殖しており、更なる生息エリアの拡大により、作物の食い荒らしや鳴き声による騒音などの被害拡大が懸念されている。NTT東日本としてもリスなどのげっ歯類によるケーブル破損の被害が多数あり、電話やインターネット等が使用不可になるなど、利用者に多大な影響を与えている。

現在、神奈川県では、タイワンリスの目撃情報があった新規エリアに担当者が行き、生息状況を調査のうえ罠を設置して捕獲・駆除する対策を講じているが、現地での調査稼働の負担が大きいことが課題。そこで今回、録音した鳴き声をAIに検知させ、生息状況や範囲を特定。これまで人が目視で行っていた現地調査の稼働削減に繋げ、捕獲までの省力化をめざすことを目的に、神奈川県からの受託事業を開始した。

こども自然公園(神奈川県横浜市)にて、ボイスレコーダーを公園内の計5カ所に設置し鳴き声を収集。AIで音声を解析し、実用化に向けた検証やデータ蓄積・課題抽出、センサカメラ検知との比較を実施した。その結果、全ての設置場所でタイワンリスの鳴き声を検知。朝方と夕方により多くの鳴き声を検知(リスの生態とも一致)した。

今回の調査で得た知見と課題を改善し、タイワンリスやそれ以外の生態調査の省力化を実現するAIソリューションの提案拡大へ繋げていきたいと考える。