2024年04月24日 12:03

衛星間光通信サービス実現を目指すワープスペースは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)より受託した光センサーの開発を完了した。

40万km隔たった月と地球間では光も大きく減衰するため、微弱な光信号を検知できる超高感度センサーが必要。このセンサーは従来の光検出器と同等以上の検出性能を確認し、また、冷却における大幅な暗電流低下が示唆される結果が得られた。

更に、実際のミッションにおける使用を想定した改善を目的に、本開発ではノイズのさらなる低減に焦点を当てた。受光素子を-20°Cまで冷却する、受光面のサイズを縮小することにより、ノイズの低減を図った。これらの措置により、従来のセンサーと比べて暗電流を約97%低減することに成功。また、月地球間光通信の捕捉追尾に必要とされる受信電力を約90%低減できることを確認した。

さらに、月-地球間光通信の捕捉追尾に要求される1万分の1度台の精度を、本センサーで達成できることをシミュレーションにより確認した。この感度の向上は、宇宙における信頼性の高い光通信の確立において極めて重要となる。特に、月探査プロジェクトにおいては40万kmという超長距離の中で確実な通信を成立させる必要がある。これは例えば、東京駅から富士山頂上(直線距離約100km)のバスケットボールにレーザーポインタを当て続ける精度と同等。今回開発に成功したセンサーはその信号の捕捉と追尾にあたり、非常に重要な役割を果たすことになる。