2024年04月23日 15:36

大和ハウス工業は兵庫県三木市にて、建物とデジタル技術を組み合わせる拡張空間を利用し、開発から年数が経過した住宅団地でのコミュニティ活性化を図る実証実験を開始した。

居住者の減少や高齢化が進む住宅団地では、公共交通機関の運行廃止や免許返納などにより遠方への移動が不便になっている。そのため、公民館や役所などの公共施設から離れて暮らす住民にとって十分な地域コミュニティが形成できていない恐れも。

そこで同社は兵庫県三木市のコミュニティ施設において、仮想空間や遠隔地とつながる空間拡張システムを用いた、コミュニティ活性化に関する実証実験を開始することとした。

実証実験では、デジタル映像と自然音で仮想空間を再現する「XR技術」を採用し、居心地の良い空間を演出することで、利用者数や発話量などへの影響を検証。古都風景や古民家の室内など日常に溶け込む4種類のデジタル映像をプロジェクターで映すとともに、リラックス効果のある雨音や囲炉裏で薪をくべる音などを複数のスピーカーをもちいて立体音響として流す。また、コミュニティ施設と遠隔地を映像と音声でリアルタイムに繋ぐことで、リモートによるコミュニケーションの快適性を確認する。

今後は実験結果をもとに、地域コミュニティの活性化に寄与するための、建築とデジタル技術を融合した空間拡張システムの開発を目指す。