2024年04月11日 15:55

日立造船、商船三井とヤンマーPTは、「触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ削減技術の開発」において、陸上試験にて削減率93.8%(エンジン負荷率100%時)を達成。日本海事協会(NK)より、削減率達成の確認を証明する鑑定書を世界で初めて取得した。

本事業は、2021年度から2026年度までの6年間で、メタン酸化触媒とエンジンの改良を組み合わせ、LNG燃料船のメタンスリップ削減率70%以上を目標にするもの。陸上でも確立されていないメタンスリップ削減技術を、世界に先駆けて海運分野で社会実装することを目指している。

日立造船とヤンマーPTは、LNGを燃料とする舶用エンジンから排出されるメタンを酸化させることでメタンスリップを削減する「メタン酸化触媒システム」を2022年に開発。2023年12月に行った陸上試験では、EGRを用いたエンジン改良とメタン酸化触媒システムを組み合わせ、目標である70%以上を大幅に上回る削減率93.8%を達成した。この結果が高く評価され、NEDOによる2024年2月の継続支援対象選定審査を通過。今後、2024年秋頃から商船三井が運航する大型石炭専用船で、実海域での実証試験を開始する。

国際海事機関(IMO)は、2050年頃に実質ゼロを目指すことを2023年7月に新たに採択した。船舶の燃料を温室効果ガス排出が少ない新燃料へ転換する技術開発が海事クラスターによって進められている。