2024年04月10日 15:59

花王は、ゴムや樹脂製品の製造時に、製品を型枠からスムーズにとり外すための離型剤「ルナフロー RA」を5月に発売する。

セルロースナノファイバー(CNF)は、木材などから得られる繊維をナノレベルまで微細化した最先端のバイオマス素材。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を持つなどの優れた特長から、自動車や建築の材料などに活用されている。

花王は、CNFを使いやすくコントロールする技術(疎水化技術)を保有しており、ユーザーの目的や用途ごとにカスタマイズしたCNFを販売してきた。また、2021年にはCNFと潤滑油を組み合わせることで、塗布した対象面をウツボカズラの袋内部のように「すべる表面」にする技術を確立。このたび、今までの知見や技術を応用した離型剤「ルナフロー RA」の販売を開始する。

ゴムや樹脂製品を型枠で成型する際、流し込んだ材料が型枠に接着してしまうと、作業性低下や不良品発生につながる。あらかじめ型枠の内側に塗布することで、型枠と材料との間に薄膜を形成し、両者の接着を防ぐ役割を果たすのが離型剤。昨今の製品の小型化や複雑化によって需要は増加しており、高機能かつ、頻繁な塗り直しが不要な製品が求められている。

「ルナフロー RA」は、独自技術で高い油保持性を持つようにコントロールした最先端素材のCNFを材料として活用することで、優れた離型性と持続性を実現。また溶剤フリー・フッ素フリーの製品設計にしたことで、環境と作業者の両方にやさしい製品となっている。