2024年03月28日 15:30

松浦産業は、林業におけるクマ剝ぎ・シカ剥ぎなどの樹木被害対策、また農作物の害獣被害対策として、微生物の力で分解される生分解性テープ「土、帰るテープ」を、4月1日から新発売する。

「クマ剥ぎ」は、ツキノワグマがスギやヒノキなどの樹皮をはいで歯や爪で傷つけたり、幹の内部を食べる樹木被害。親子間継承・耕作放棄地の増加による生息域の拡大、個体増や気候変動による食糧不足などで被害は全国的に拡大・増加傾向にある。併せて、ニホンジカの分布拡大に伴い、食料摂取のための「シカ剥ぎ」も日本各地で問題となっている。

物理的な防除として、樹木に荷造りテープをらせん状に巻き付ける「テープ巻」が一つの有効な手段。爪や牙・角にテープが絡まることなどでクマやシカが嫌がるが、経年劣化によってちぎれたり、害獣に剥がされて散乱したテープが山林ゴミとなる環境への影響も心配されてきた。

松浦産業は、1966年からプラスチックのテープ(荷造り紐)を製造している。100%生分解のテープの構想開始から約5年。テープの強度などの品質と環境基準にあわせた配合を試行錯誤し、環境配慮型製品として本製品の発売にいたった。

本製品は、さとうきび由来の植物性生分解樹脂PLAが主原料。様々なコンパウンドの試作を繰り返し、植物性生分解樹脂の使用率を100%にすることを可能にした。「土、帰るテープ」は、山林で目印や区分けとしても使い勝手がいいように白・赤・青の3色展開。価格は1巻2500円(税別)。